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アプライトピアノ(メーカー機種比較):輸入ピアノ

先ほどのページでは、ピアノの種類・仕様の違いをお知らせいたしましたし、

また、ピアノ業界の裏事情もお分かりいただけたと思いますので、

もうすでに皆さんは、十分ピアノを比較するための基礎知識は修得しました。

さて本題のメーカー別の機種比較ですが、

カタログ・パンプレットには、良い事ばかりが列記されておりますが、

どんな世界の名器と言われる楽器であっても、短所はございますので、

実際に演奏されないで飾っておくだけという事であれば別ですが、

楽器としていろいろな曲を演奏するという場合ですと、

そのメーカー・機種が持っているこだわりをご理解いただく事が重要です。

(3)輸入ピアノ

こちらは、国産のピアノメーカーと違いあまり見かける機会も少ないので、

あまりご存じないお客様もかなり多いと思いますし、

楽器店の中でもあまり知識をお持ちでないお店も多いので、

情報を得ようと思っても十分な情報が得られない状況だと思います。

また、輸入ピアノと言っても主にコストダウンのために、

アジア諸国(韓国・北朝鮮など)で製造されたピアノなどを、

定評のある輸入ピアノと同じ作り・素材だというセールストークで、

一部のディスカウント店では販売されているので、

本当に優れた品質・性能を持っている輸入ピアノか、

それとも単なる廉価版の輸入ピアノなのか判断がつかないお客様も多いと思います。

しかしながら、当店の様に官公庁・各種学校関係の業務を中心に行っておりますと、

当然の事ながら、いろいろなメーカーのピアノをお納めする機会があるので、

その経験に基づいた長所・短所を簡単にお知らせします。

(ア)長所

まず、本場のドイツ・オーストリアなどの国々で設計・製造されているピアノには、

その長い歴史・経験といったものが豊富にあります。

例えば、国産のヤマハ・カワイは1900年代からのピアノ製造の歴史ですが、

本場の輸入ピアノは、1800年代から本格的に製造されていた歴史があります。

もちろん、歴史が長ければ全て良いという訳ではありませんが、

楽器作りは前述の様に試行錯誤の歴史の様なものですから、

他の工業製品よりも長い製造経験は大きなメリットになる訳です。

こちらのページの2段落目を参照してみてください。)

また、国産のヤマハ・カワイの様な大量生産をしているメーカーではないので、

音やタッチにこだわったピアノが、アップライトでもございます。

(イ)短所

ヨーロッパで製造されたピアノが国内に入ってくるまでには、

楽器に一番の大敵である湿度変化がございますので、

やはり本場の定評あるピアノであるといっても、

国産のヤマハ・カワイに比較いたしますと、

小さな不具合はどうしても起きやすいという面はあります。

ただ、この点はメンテナンス部品の供給は輸入元が円滑に行いますし、

また大きな不具合が起こらないように湿気がピアノ内部に入らない様に、

輸送面ではかなりの工夫が最近ではなされております。

また、どうしても輸送費用の問題もかかわって来ますので、

国産のピアノよりも割高になってしまうということもあります。

(ウ)おすすめ機種・ブランド

以上の長所・短所を踏まえた上で、1ランク上のピアノをご検討されるのに、

特におすすめのブランド・機種をお知らせしておきます。

①ザウター(SAUTER)

こちらは、南ドイツのピアノブランドです。

最初に、アップライト・グランドの違いをお知らせいたしましたが、

このピアノは、完全にアップライトの既成概念を打破したピアノです。

というのは、グランドピアノの特徴である弱打でもスムーズに戻るという点が、

アップライトピアノでもアクションの改良で再現されているからです。

こちらのページの(1)を参照してみてください。)

また、音の響きもすぐ目の前から音が鳴ってくる形ではなく、

ピアノの奥から響いて来る何とも心地よい響きがございます。

さらに、輸入ピアノではピアノの外装にあまりこだわりのないピアノが多い中、

こちらのピアノは、ヨーロッパ調のきれいな仕上げになっているので、

一度ご覧になっていただければ、気に入られる方の大変多いピアノです。

ただ、前述の様にピアノの価格は国産のピアノに比較して高く、

150万円くらいのものが中心モデルになります。

また音色的には明るめで、タッチの強さによって音色が幅広く変化するのが、

他のメーカーにはない特徴と言えると思います。

②プレイエル(PLEYEL)

こちらは、フランスのピアノブランドです。

特に、ショパンがこのピアノを愛用していたということで、

ショパンの伝記などをお読みになった方は知っていらっしゃるかと思います。

音色的にはかなり個性のある明るい音がします。

また、タッチ感もかなり軽快な感じの仕上げになっています。

ただ、前述の様にピアノの価格は国産のピアノに比較して高く、

140万円くらいのものが中心モデルになります。

③ホフマン(W.HOFMANN)

こちらは、ドイツのピアノブランドです。

特に、日本のピアノ製造の基本をされたと言われるベヒシュタイン社のピアノで、

従来、どうしても国産に比べて割高であった輸入ピアノを、

ドイツよりも割安で材料が調達出来るチェコからの仕入れを行うことにより、

高い品質とコストパフォーマンスを両立したピアノとして定評があります。

また、ピアノの作りは、さずがベビシュタイン社が製造しているだけあって、

非常にしっかりした作りになっておりますので、

ベビシュタインのピアノに手が届かない方もその良さを実感出来るピアノです。

なお、90万円くらいからのラインナップなので、

国産の上位機種と価格面でも十分対抗出来るピアノとして人気が高いです。

④その他

この他にも、世界で最も有名なピアノとして3つに数えられるブランドとして、

前述のベヒシュタイン(ドイツ)・スタインウェイ(ドイツ)・

ベーゼンドルファー(オーストリア)などがございます。

ただ、こちらのピアノは前述のブランドよりもお値段がさらに高くなりますので、

300万円台のものが中心モデルになります。

ただ、こちらのブランドのピアノですと、中古のグランドピアノが、

この価格帯もしくは、若干の予算の上積みで手に入れられるので、

新品のアップライトと中古のグランドを比較検討されるケースも多いです。

 

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