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アプライトピアノ（メーカー機種比較）：カワイ

先ほどのページでは、ピアノの種類・仕様の違いをお知らせいたしましたし、

また、ピアノ業界の裏事情もお分かりいただけたと思いますので、

もうすでに皆さんは、十分ピアノを比較するための基礎知識は修得しました。

さて本題のメーカー別の機種比較ですが、

カタログ・パンプレットには、良い事ばかりが列記されておりますが、

どんな世界の名器と言われる楽器であっても、短所はございますので、

実際に演奏されないで飾っておくだけという事であれば別ですが、

楽器としていろいろな曲を演奏するという場合ですと、

そのメーカー・機種が持っているこだわりをご理解いただく事が重要です。

（２）カワイ（機種ラインナップ一覧はこちらです。）

こちらは、国産のピアノメーカーで皆さんご存じの方も多いと思います。

ただ、カワイのピアノの長所・短所はあまりよく分からないのではないかと思います。

というのは、前述の様に、（こちらのページの（４）を参照）

カワイピアノの流通が比較的限定されたものであることから、

カワイピアノの取扱いがあまりないお店・中古屋さんでは、

カワイの新品ピアノはまずおすすめ機種にならないと思いますし、

（昔はおとり広告として新品２５％引きなどと良く使われていましたが、

今でもそのようなちょっと怪しげなちらし広告はあるのでしょうか？）

逆にカワイピアノの取扱いが中心のお店・音楽教室では、

カワイ以外のピアノはピアノではないというような感じの、

あまり根拠のないイメージが先行したセールスが一般的ではないかと思います。

しかしながら、当店の様に官公庁・各種学校関係の業務を中心に行っておりますと、

当然の事ながら、いろいろなメーカーのピアノをお納めする機会があるので、

その経験に基づいた長所・短所を簡単にお知らせします。

（ア）長所

まず、設計思想で長持ちするという点が第一に考えられている点で、

長い年数を使用された場合も比較的故障確率が少ないピアノと言えます。

また、ピアノ音色も静かでしっとりとした音になっているので、

ピアノの弾き方による表情が付けやすいこともあり、

古典的な楽曲まで曲目を広げられる方にはおすすめだと思います。

また、メンテナンス時の各パーツの交換も国産の量産メーカーなので、

迅速に行うことが出来るという側面もございます。

（イ）短所

ピアノ音色が静かでしっとりとした音になっている事は、

反面デメリットにもなるのが楽器の難しい所で、

明るく

強弱をはっきり付けられる指先の高い技量を要すると言えます。

また、比較的故障確率が少ないといっても、

音色的に倍音がかなりしっかり出てくるので、

調律・調整が不十分ですと本来の良さが発揮されないとも言えます。

よって、ピアノの基本的なメンテナンス関係があまり得意でない技術者からは、

音がすっきりしないとか、湿気に弱いとか言われ嫌われている面もあります。

（ウ）総括

現在のカワイピアノでは、Ku-10あたりですと、

やはり廉価版という側面は否めないので、

レギュラーモデルであるK-50/70/80あたりでお選びいただいた方が、

カワイピアノの本来の良さを実感出来ると思います。

ただ、前述の様に倍音のかなりしっかり出てくるピアノは、

ハンマーを柔らかくして倍音を止めてしまう形であれば、

その分調律は非常に簡単な作業になってしまうのですが、

それでは、本来のカワイピアノの良さが発揮されないので、

調律・調整は、ヤマハよりもかなり慎重に行う必要があります。

逆に言いますと、カワイピアノを正当に評価出来ない技術者には、

このピアノの調律・調整は難しいとも言えると思います。

あと、最近流行の消音機能ですが、

私の感覚ではかなり従来よりも改良されているので、

本格的に演奏される方でもそれほど違和感はないと思います。

ただ、グランドピアノのサイレント機能は、

タッチ感の好みによって評価が分かれるところだと思います。

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〔楽器販売杉田楽器店〕