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グランドピアノ(メーカー機種比較)

:ボストン(BOSTON)

先ほどのページでは、ピアノの種類・仕様の違いをお知らせいたしましたし、

また、ピアノ業界の裏事情もお分かりいただけたと思いますので、

もうすでに皆さんは、十分ピアノを比較するための基礎知識は修得しました。

さて本題のメーカー別の機種比較ですが、

カタログ・パンプレットには、良い事ばかりが列記されておりますが、

どんな世界の名器と言われる楽器であっても、短所はございますので、

実際に演奏されないで飾っておくだけという事であれば別ですが、

楽器としていろいろな曲を演奏するという場合ですと、

そのメーカー・機種が持っているこだわりをご理解いただく事が重要です。

(3)ボストン(機種ラインナップ一覧はこちらです。)

こちらは、名前で判断するとアメリカ製と勘違いされる方も多いと思いますが、

実は、スタインウェイ社設計の日本向けのOEM生産のブランド名です。

従いまして、高い品質を維持しながら生産コストを下げるためには、

国内でのOEM生産という形が望ましいという事で、カワイの竜洋工場で製造されています。

なお、このピアノはヤマハ・カワイがモデルとしているベヒシュタイン型ではなく、

スタインウェイ型の一般普及向けピアノですので、かなり音の趣きは違います。

(ア)長所

まず、設計思想がスタインウェイをもっと手頃な価格帯でという事なので、

スタインウェイ同様、響板だけでなく金属部分まで響かせるピアノです。

従いまして、ダイナミックな演奏を好まれる方にはおすすめです。

また、タッチ感も国産のヤマハ・カワイに比べますと、

非常に軽くしかもシャープに設計されておりますので、

スタインウェイの様な弾きやすさがあります。

また、響板の面積を大きく設計することによって、

より充実した響きが出るようになっています。

(イ)短所

ピアノ音色がかなり充実した響きを持っている事は、

反面デメリットにもなるのが楽器の難しい所で、

純粋な古典音楽を演奏したいという方には音色的に合わないと思います。

ただ一般的なクラシック音楽であれば、かえってここち良い感じもあるので、

そのあたりは、あまり既成概念にとらわれすぎなくても良いかもしれません。

あと、タッチ感が軽快でしかもシャープであるという点も、

今まで他のグランドを弾いていらっしゃった方には違和感が出ますので、

そのあたりは、やはりお客様のお好みで決める部分だと思います。

あと、こちらのピアノも倍音のかなりしっかり出てくるピアノですので、

ハンマーを柔らかくして倍音を止めてしまう形であれば、

その分調律は非常に簡単な作業になってしまうのですが、

それでは、本来のボストンピアノの良さが発揮されないので、

調律・調整は、ヤマハよりもかなり慎重に行う必要があります。

逆に言いますと、ボストンピアノを正当に評価出来ない技術者には、

このピアノの調律・調整は難しいとも言えると思います。

(ウ)総括

ボストンピアノの場合、比較的小振りのピアノでもかなり鳴りますので、

GP−178あたりでかなりご満足していただけると思います。

また、さらに小振りのピアノでも逆に明るい感じの音になりますので、

GP−163やGP−156でも、ボストンの音色が気に入れば、

ヤマハ・カワイの3番よりもおすすめになるかと思います。

ただ、お値段を比較していただくとお分かりかと思いますが、

ヤマハ・カワイのレギュラーモデルよりも若干価格帯が上がりますから、

(輸入ピアノと比較すればかなりお安いのは確かなのですが・・・。)

やはりヤマハ・カワイとはかなり違った個性を持っておりますので、

ボストンの音・タッチを気に入った方におすすめになると思います。

 

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